乙女理論とその周辺 review

サクサクいけるか知りませんが、これを書きはじめた時は連続しています。
信者買いしたNavel新作“月に寄り添う乙女の作法”のFD。
“乙女理論とその周辺”レビュー。

otome_riron

乙女理論とその周辺 / Navel
Playtime:20H
6.5 / 10.0

FDの評価としては高いと思います。
というのもほんとど前作のキャラを使った新作のような感じなので、FDという感じがあましません。
しかし単体評価をすると点数が下がるし、前作のプレイが前提のような開始状況ですし、何よりパッケージされている内容のオマケ?ととても言えないようなボリュームのアペンドディスクが付随しています。
前作のソフトが必要ですが、追加シナリオはかなりボリュームのあるアフターストーリーになっています。

■シナリオとか
攻略順はミスって、メリル→りそな→エッテとしてしまいました。
りそなを最後にもって言った方がすっきりします。
逆にエッテを最後にもっていってはいけない。エッテのシナリオはひどい。メリルとりそなのシナリオが良いだけに、際立ってエッテがひどい。

それを差し置いてのシナリオ評価をすれば、メリル、りそなの2√で明かされ語られるシナリオは、夢と希望に満ち溢れたグランドフィナーレからのハッピーエンド。
まさに王道ともいえる大団円で終わるのでFDとしてはとても成功していると思います。
問題はヒロインの魅力が乏しいということくらい。

“乙女理論”といいつつ、実は衣遠アフターです。といわれても納得してしまいそうです。
でもこういう展開嫌いじゃないので評価高めです。
以下個別√の話。

otome_riron_01

りそなは“乙女の作法”の時はとても魅力的なサブキャラに見えた。
そして当時「どうして攻略√がないのだ!はよ!」と嘆いた一人でもある。
そうして時は流れ「FD開発決定!妹ヒロイン昇格です!」と発表されたときは心から喜んだのですが、結局満足できるイチャラブだったのかというと…そうでもないようです。

りそなの魅力の話は後にして先に√の話を。
プレイ後に一番感じたのは、りそな√とメリル√を終えたことで完全に“乙女の作法”を終わらせたという気持ちになれる良いシナリオだと思います。

引きこもりNEETのりそなが社会復帰しつつ、大蔵家の “愛を知ることで覚醒する才能”の展開は個人的に盛り上がって好きでした。また引きこもり原因にもなっていた他者の妬みにも完全に立ち向かい成長する姿を見せるあたりも良いと思います。
さらにメリル√では大蔵の家系図的な問題が説明され、りそな√ではそれらの問題を一挙に解決するというグランドフィナーレ展開は良いと思います。
正直NavelのFDといえば「もーなんですかこれー!」的蛇足に近いか、本当にちょっとした続編みたいなAfterStoryだったので全然期待してませんでした。星屑ロンリネス!
しかしこの“乙女の作法”と“乙女理論”は2つで1つ、まさに完結編とも言えるべき良いFDでした。 “乙女の作法”をプレイした方は是非ともプレイしてほしいと思います。

さて問題のりそなの魅力です。
りそなは“乙女の作法”時から「上の兄」「下の兄」「~の人」と名称をわかりづらくいっています。これにも理由があるのですが、個人的にはこれを常に聞き続けるとややこし過ぎて頭が疲れる。
例えば主人公と衣遠を上と下で呼ぶわけですが、もーこれがヤヤコシイ。
台詞を再生させると「兄」「兄」「兄」「兄」……。

通常会話パートだけならまだしも、りそなのデレ会話の時も「下の兄」「下の兄」となんでしょうこれ、ものすごく興ざめする。
これは最後の方になれば「お兄ちゃん」と変わるのだけど、もっと早めに切り替えてくれ。
呼び方でかなり物語に対して俯瞰モードになるわけですが、それに加える形で主人公は主人公で寄ってくる妹の好意に最後の山場まで完全否定系です。
さらには一線を越えてもそこまでイチャイチャにもならず、本当に仲の良い兄弟という感じで描かれていて微笑ましいけれど、萌えない。なんなんですか、これぇ…。
“乙女の作法”の時からわかっていたけれど、主人公が女性的なために、好きだー!感に乏しいゲームです。

そして問題点というか、私もこれは反省しています。
良くレビューで「もう少し現実的要素を~」とか言ってました。
それが反映されたのかどうかわかりませんが、“乙女理論”のエロシーンは物凄いリアリティがある。

が、全然萌えない。むしろ萎える。(:-D)rz

初体験で「痛いぃー痛いぃー早く終わってぇー」みたいな展開が描かれてます。
ハハッ ナニコレ スゲー見ていて萎える。
元々“乙女の作法”もエロくはない塗りだしエロシーンは捨ててもいいのかもしれないけど、それに輪をかけてこの台詞ゥ!
もうちょっと絵がエロければ何かいい気がするんだけど、組み合わせ最低でした。
まるで天ぷらと西瓜が同時に食卓に並んでいるのを見てる気分。

まとめるとFDとしてりそな√を見た場合、キャラクターでは萌えません。
しかしシナリオは面白いという変わった物が見えます。
綺麗な衣遠兄様が素敵すぎでしょう。

「真心を込めて!」の人はなんか最初から分かっていたので驚きもせず。
声の人は“俺翼”の電波さんの声だけど、私はこのキャラクターと容姿でイカれキャラやるなら吉川華生さんを器用してほしかったです。個人的にはね。

otome_riron_02

メリルは実は……!というヒロインで、一見主人公たちとは無縁なようで実は関係おおありでしたという展開が楽しめます。よくある高貴な血筋を引いているけど孤児で、最後は幸せなセレブになるという展開。
“乙女理論”で唯一恋愛要素らしい恋愛をしてくれるメリルは、このゲームになくてはならないヒロインでした。
そして修道服でのエロシーンも個人的にはGood。OPYも大きいしね!

ただしりそな同様にエロシーンの台詞にリアリティのある展開なので…色々お察しください。モーナンデスカコレー“組み合わせ次第で毒にも薬にもなる”って良い言葉だと思います。
というか「エッチしたら夫婦になるんですよね」「私、朝日さんと夫婦になりたいです」とか純真すぎてドン引きです。
修道女って本当にこういう無垢な子が育つんですか…?

メリル√では大蔵の家系にフォーカスされますが、最初の日銀の奥さんが「トマト」て。
なんでそんな地方ローカルすぎる銀行名を器用したんですか…。
トマト銀行なんて県民or元県民じゃない限り知らないだろうに…。
そんなフザケタ名前の地方銀行がメインバンクになっている恥ずかしい県があるんですよ、日本には。どことは言いませんけど!

ちなみにメリルにラブラブなエッテは割とスッパリ主人公に譲ってしまうのですけど、何かそういうのはもう少しドロドロさせてほしいです。
女の嫉妬は根深いってのが定番じゃないですか。
親友だから幸せを願うなんて、エッテ天使すぎでしょう…。非実在すぎる。

otome_riron_03

そしてヒドイ扱いのヒロインこと、エッテはフランスの貴族の娘でメリルとの友情のためだけに服飾学校に通い始めるという、とってつけたような設定。服飾制作のセンスがないので、もっぱらメリルの補助になる。もともとメリルの服を着てモデルとしてファッションショーに出たいという約束のためだけにいるので、それは問題がない。

しかし気分屋でレズ目的にメリルと一緒に居たいというなんともいい加減な感じは、シナリオにも反映される。
メリル一筋なの。と主人公に相談するも、主人公が女装した男とわかるやいなやターゲット変更。
お風呂場で証拠をつかんで、強制的に迫ってきて寝技に持ち込んでくる。
「しちゃったね」とナァナァで恋人関係になり、そのまま終わりまで行ってしまう。
正直ひどいシナリオだ。

りそなとメリルには√の共通項目が存在しないが、りそなとエッテには共通箇所が存在するために√の途中でシーンスキップが出てくる。
もちろん飛ばしてしまえるのでそのままEDに。
“乙女の作法”のAppendシナリオのボリュームの何割かをエッテに割いても良かったのではないだろうかというくらいエッテの扱いがヒドイ。
といっても個人的には“乙女理論”はりそなとメリルの2本柱でエッテはいFDのメインヒロインの一人なのにサブヒロインとヒロインの中間みたいな立ち位置なせいでもある。

もう少し何とかできなかったのかなーと思う反面、NavelのFDってこういうのだよねーっていう信者的な見方もしてしまう。

■CGとか
FDの本篇(乙女理論)側はエロシーン各キャラ2回+イベントCGが数枚。
“乙女の作法”のアペンドもシーン2回のCGがそれぞれ追加されています。

“乙女理論”にだけフォーカスしていっても、Navelの作品は突然“乙女の作法”でクオリティが跳ね上がった気がしますが、“乙女理論”もそのクオリティのままCGが展開しています。

しかしNavelのエロCGは昔からですが、あまりエロさを感じませんね…。
なんというか言い方がひどく悪いですが、少女漫画的なエロさというか、ただOPYが露出して、なんか股間の竿っぽいものをヒロインが咥えて、その後ヒロインの足と足の間に竿が入っていくという感じ。

上手く表現できないけど、あまりエロくありません。
たぶん塗りの問題なんじゃないかなーとも思います。艶がない。
ただ綺麗ではあります。
私の趣向の問題かな。

■BGMとか
こちらは前作のレビューをしていないことを思い出しましたが、前作同様に音楽が綺麗です。
前作の曲もありますが、新規追加曲もいくつか。
とくに最後のファッションショーの時に専用曲とともに画面演出が行われるのは、かなり良い演出だと思います。
主題歌は前作の方が私は好きです。

■システムとか
“乙女理論”は演出的なレベルが高いのですが、一番驚いたのがメッセージウィンドウです。
メッセージウィンドウが出るたびにシルエットの装飾が描画されます。
その後右上の蝶は羽をパタパタ動かすし、左上の鳥はつつきます。
細かい表示ですがそこまで作り込む余裕や制作へのこだわりに驚きました。

少なくとも私はこういうコダワリをメッセージウィンドウでやっている作品を過去に見たことがありません。
似たようなコダワリだと、LittleWitchのFFDでしょうか。
ちょっと感動しました。

その他の設定は旧来のNavel作品と同じです。
記憶があいまいですが、攻略√によってメッセージウィンドウが切り替わるのもいつも通り。
今回は謎のパリ地図がありますが、謎です。何か意味があったのでしょうか。

総評でいえば前作“乙女の作法”をプレイされた方で、あの世界を綺麗に終わらせたい人にはオススメができます。前作キャラクターも良いところで出演して、シナリオを盛り上げます。
前作をプレイされていないのであれば、1つ前のレビューをした天色アイルノーツをオススメします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です