少女神域∽少女天獄 review

「――まるで降り積もる雪のようね」

もうすぐ日本各地では、じめじめとした‟梅雨”になる。
農家を営む者でなければ、雨は地面を濡らし歩く妨げとなり、そして高い湿度は不快感を感じさせるために嫌う人が多い。
そんな好まれざる雨だが、不思議なものだが日本人は雨という表現をとても多く有していると思う。

霧雨(キリサメ)、五月雨(サミダレ)、梅雨(ツユ)、氷雨(ヒサメ)、村雨(ムラサメ)……。

雨脚に足を止め、ふと空を見上げた際に心が一息ついて、何気なく出た言葉なのかもしれないね。

どうでもショートストーリーでした。
レビューに追われてプレイしたゲームだけがたまる状況は、まさにそんな感じです。
しかも私はプレイし終わると熱が冷めてしまうので、余計にひどい。
今度から絶対にプレイしたらすぐレビュー。乃良狗覚えた。

絶対にレビューしないダメサイトがここにある…!(日本代表戦のコピーみたいなアレ)

ちなみに良く指摘される2012年7月は消滅しました。

「俺だ。あぁ、この世界線にも2012年7月はなかった。また世界線を移動しないといけないようだ。
 もちろんだ、わかってる。なに心配はいらない。ではまたな――エル・プサイ・コンチクショウ」

syouzyo_tengoku

少女神域∽少女天獄 / Lass
Playtime : 10H
5.5 / 10.0

4月の購入分では予定になかったのですが、panakoさんがレビューしてくださいと依頼されたこともあり、のーしすさんがこの鬱成分!と前言われていたのを思い出したのも購買要因の一つ。
一番の理由は破格の値崩れ。
今なら中古で2000円未満で買えます。(Amazonで新品を買っても3400円 68% OFF!)
期待作がこんなに値崩れするのって珍しい気がします。

値崩れするには理由があるので、プレイしてみるかーって気になったわけです。

いきなり余談なのですが、私の中で某批○空間で中央値68±2ははずれではないという印象を持っています。
71以上だとだいたいが満足できるといった感じ。
この「中央値68はハズレではない」というのに影響を受けてるのが、このサイトの6.5評価です。
先に見て点数つけてるわけでもないのですが、だいたいあっちの中央値65-70の時はこっちも6.5のはず。
比べたことが無いので正確ではないと思うけど。

さてこの作品の某所は中央60点。
60の場合は少し微妙な感じで、端的にいうとツマラナイ評価の場合に見ます。
面白いわけでもない、面白くないわけでもない。なんだか微妙という時につく点数。

実際、この作品レビューされすぎててるので、他サイトの素晴らしいレビューを見た方がはるかに有益であり、このサイトは面白くないのでどうしても私がレビューした物が見てみたいって人だけどうぞ。

あと私はLassの作品をプレイするのは初めてです。
3days,11eyesという有名な作品はあるのですが、私はどうも買う気になれなくてスルーしていました。
なので今回に関しても値段がここまで下がっていなければプレイしていないということと、信者補正が全くないので過去の同ブランドがどうこうって話はできないことだけ予めご注意ください。

シナリオとか
攻略順は、愛莉→迪希→祥那→碧織の順にプレイしました。
最近の流行りというわけではないでしょうけど、メインヒロインっぽい迪希はイマイチ興味が持てないただのOPY要因って感じがします。

さてはて、名前を上げた時点で未プレイ者の方は、こう思ったのではないでしょうか。

名前なんて読むの……(´Д`;
愛莉に関しては読めますけど、それ以降のJIS漢字水準……!

私がプロデューサーなら、愛称なりカタカナに名前を表示させる勢いです。
しかし名前だけかと思いきや、物語の舞台ともなる設定用語も牙を剥いてきます。
公式サイトには設定資料集があるので読みながらやるゲームのようです。

とはいうものの、用語や設定はとても細かく、世界観もおそらく細かく設定されていると思うのですが…
とくに気にしないまま話が終わります。

分かりやすく全体をまとめるとこんな感じ。
序盤:「ヒャッハー!俺様参上!頑張ってシナリオ書くぜ!俺の筆に酔いなっ!」
 ↓
共通中盤:「さてライターの腕の見せ所!日常パートで魅惑のキャラを描いちゃう!
      FUUUUUU!俺の描く女の子かー↑わー↓いー↑いー↑↑」
 ↓
共通終盤:「なんか飽きてきたなー。ちょっと伏線でも張ってみるか…味を変えるって必要だよね」
 ↓
個別開始:「おかーさん、今日の晩御飯何ー?(飽きてきた)」
 ↓
個別中盤:「スンマセン!ネタが浮かばないっす!」
 ↓
個別終盤:「…もうゴールしてもいいよね…」

もうね、何がひどいって、この個別√でおそらく飽きたのかネタがつきたのか、めんどくさくなったのか知らないけど
個別√の8.5割が既読スキップできるゲーム、もしかしたら初めてみたわ。


序盤の頃は、とても細かく世界観の説明や街並みが描かれているのだけど、うっは俺の描く世界観まさに万華鏡のごとく豪華絢爛でFUUUUUUUU!キャラも可愛くて最高っしょ!!もうどうしよう!俺天才じゃねーの!!やっべ主人公もいきいきとしすぎててやばいわーマジ俺やばいわー俺マジ天才だわー。これもう2013年の萌えゲーアワードのシナリオ賞頂いちゃう?頂いちゃうのー?ちゅーか俺しかいないっしょ!とまではいかないけれど、衒学者特有の読みづらさのある文章と水準の低い漢字が手伝って正直読むのがダル………普段目にしない漢字のオンパレードに加えて読みづらい単語に毎回ルビが振られるという誰得システムのせいで頭が痛くなり、結果理解しづらい。

ルビは読みづらい単語にふるものだけど、ADVゲームの3行表示にほぼ毎ページ数か所、さらに毎回キャラクター名にまでルビが振られてるとかちょっと感動を通り越して言葉を失って、勢いのままALT+F4を押してしまいそうになる。

しかも極め付けはこれらの詳細な序盤設定は、物語の本筋に何の関係も持たずただメタ情報として終わってしまうことにあると思う。

例えば、主人公の稜祁家の家紋は宝剣である墺を中心とした――という家紋の紹介があり、これはきっとこの家紋の由来も……なんてのはまーったく1byteすらでてこない。
もっといえば鴬は最後宝剣たる威力を発動するのに、他の宝剣はへし折れたりするだけで何の効果も出さない。4本の宝剣の設定って何だったのか…。

「美少女+かっこいい武器のデザインです^^」
という声が脳裏に聞こえたが聞こえないふりで。

批判なんて誰でもできるーっつーことで良いとこを書いてみようと思う。
他のレビューの方も書かれているみたいだけど、料理の描写が多くそれが高評価なようだ。
それでバイト数とられて茶番のようなあのラスト展開とか胸が熱くなるな。いっそ料理対決で決着する展開の方が面白かったんじゃないだろうか。

地の文章は読みづらいのだけど、序盤を見る限り丁寧に世界観を描くことには長けていると思う。
向いているとすればルポライターとか、観光案内ではないだろうか。
物語の書き手としては、個人的には疑問符が残る。
しかしこれは書き手だけでシナリオを書くのだとしたら、アダルトADV業界の制作体制が悪いのではないかと思う。

日記を一つ書くにしてもそうだけど、書き初めに思った事を最後まで一貫して書ききることは思っているよりずっと難しい。
俳句や短歌はだからこそ短いのではないだろうか?とすら思える。

当然文章量が多い場合は前後の祖語といったものがたた発生する。
料理が下手に取れる描写がされながら、殺人料理設定のヒロインよりも完璧な料理を作る妹とか少し見れば気づきそうな問題だと思う。
物語は読んでいて違和感を感じさせるべき箇所と、そうでないところはわけるべきだ。
日常パートでミスリード目的ならいざしらず、ただ描き方で誤解されそうなところがあるならなおすべきだと思う。
しかしそれは書き手ではなかなか気づきにくい要素だ。
なので一般的に出版業界では大勢が校正といった文章の読み合わせなどによる研鑽が行われて、校了を得て出版となる。

少女神域の多くにはそういった「ここを直した方がいい」ということを言う人いなかったのだろうか?という箇所がある。
それはライターよりもディレクター・プロデューサーの管轄になるが、そういった人が居ないのなら制作体制が悪いということだし、このゲームが残念なことになったのはそちらの管理側に問題があると思う。

シナリオを通して読んだ感想は、まるでプロトタイプのような文章だと思った。
肉厚にするべき箇所が微妙にずれていて、本来肉厚にして盛り上げるところがスッカスカになっている感覚。
調整に失敗しているようなイメージがある。

そこで最初のライターの心理状態の全体図になる。
個別√ではなくイメージ的には、共通√Bのヒロイン側の話なのだろうけど、ほっとんどがコピーしているような印象がすごく強い。
スキップ可能な個別√を感じる箇所って、思った以上に萎えるんだなーっていうのが個人的な印象。
ヒロインの家の設定は何一つわからず、設定は場外ホームランされ、黒幕のように暗躍していたお爺ちゃんは「俺の夢が終わりゅぅぅ!」と羅王様ごっこして、愛莉の母親の暗躍は「んふふ、私黒い女ですの」というアッピルで終わる。
つまり序盤に描かれる様々な要素は個別√に入りクライマックス的な星鴻祭が始まった時点で全部外に放り投げられる。

そして待っているのは、キャッチコピー的な幸せな結末だけが終わりじゃないというコンセプトを表したかっただけの、主人公が死んでヒロインが残って子供ができて終わるED。
迪希、碧織に関しては設定通りに主人公との子を為す役目をやるが、愛莉いつやったの?その前のラッキーハラボテですか。
そもそもこの石を継ぐための巫女設定があるのに、実妹が巫女になるのって破綻してないの?
いや江戸時代までは近親相姦があったし、古いしきたりで考えれば近親相姦イケイケな時代があるわけだけど。

でも主人公はこのゲームの真のメインヒロインであろう祥那と性向するたびに「俺はロリコンじゃない!」アピールですぐ自殺してBAD-EDするんだけど。
実際は妹に手をだしてごめんなさい。死にます^^。っていうBAD-ED。
ただ3回目の死に方とか、陰茎切り落として、切腹して内臓がこんにちわして、その後首の頸動脈切断とか、発見者にトラウマ与えるのが目的の死に方かよ。
無駄に痺れるわ。

各個別√については、ほとんど上記のようにないような物なので割愛。
ちなみに√分岐的な選択肢が中盤に一回出ますが、選択肢はそれだけです。

それ以前にも好感度をあげるような選択肢はでますが、何の意味もありません。何の意味もありません。
文章がちょろっと変わってオシマイ。
選択肢の意味…!

ほんと痺れるわぁ…。

個人的にこのゲームでBest痺れキャラは、親友キャラの水原選手。
伝奇系でよくある実は主人公をだましている罪悪感を感じながら親友であるために、最後は親友を裏切れずに死んでしまう系のアレ。

御多分に漏れず暗躍し、「俺はこんなことのために…!」と葛藤します。
以下水原様の軌跡。
・ゲームをやればランカー常連。全国No1を笑いながら倒すと豪語
・ゲーム中ではただの使いっぱしり
・親友が最後に裏切って悲しいゲームだよなと、俺もそうなんだぜと言わんばかりの伏線をはるためにレトロゲームを主人公とプレイ
・電話がかかってきた後の「殺さないといけないのか…!」という台詞は何なのか語られず
・何のために祥那に鶯と宝玉を届けたのかも分からずじまい
・最後はウロウロしていたら銃殺されて、「主人公君幸せになってくれ!」と後悔しつつご逝去。

私がこの世界にいたら、「水原って結局何がしたかったの?」と死体を指さして隣の人に聞いてると思う。
居ても居なくても良かった気がする。

水原がとくに際立ってドン引きするくらいに寒いだけで、他の登場人物の葛藤的なクライマックスはどれも茶番。
文章量が足りないのだと思うけど、話が突然すぎて「へーそうなんだー」というレイプ目状態。
要所要所で見せた他キャラ視点による暗躍がなーんの結実もしないまま終わるという、風呂敷を広げたというより、風呂敷広げたら全部どっかいった状態。

サブキャラだけがヒドイと思った?
残念。主要キャラも大概です。

一番酷いのが主人公なのは言うまでもない。
前述の通り選択肢1個で個別√にいき、いきなり○○ちゃんが好きだ!となるから、一体1日でなにがあったの?
薬キメちゃったの?ってくらい置いて行かれる。

共通√でヒロインの果敢アピールを「やめてよねー勘違いしちゃうから^^;」と枯れてる系爺さんアピールしていたのに、選択肢一個後はヤリチン王子並の積極性でヒロインを撃墜していきます。
唯一祥那にだけはお兄さんアピールするのだけど、祥那からの感染で意識が保てずレイプしようとする。したら即BAD-EDなのは前述のとおり。

個人的にはそれだけは良かったと思う。
実妹との性交がまた業界的に当たり前化しているけど、背徳感を微塵も感じない近親相姦なんぞ何が面白いんだ。
嫌がって泣き叫ぶ祥那だけのために2000円は惜しくない……いえなんでもありません。取り乱しました。

個人的には碧織のシナリオに色々期待していたのだけど、期待した私が阿呆でした。
序盤のホームにいた理由やら、主人公の後をこっそりとつけていた理由、主人公に余所余所しい理由。
全て…!全て……放り投げられて個別√の選択肢後は「先輩好きです!」

アダルトADVに設定とかいらねーからな。って言われてる気分だわ…。
ほんとう痺れるわぁ…。

ちなみに葵っていう恵まれない系ヒロインがいたんだけど。
関係が薄すぎて死ぬ前に、実は主人公君のことずっと好きだったの→不幸の死。

もうちょっと伏線張るなり色々で来たと思う。
殺害描写が一番よかったのに、感情移入するまでもなくご逝去。

思えばあれが茶番の始まりだったのか…。

あの付近の話は面白かっただけに残念。
秘匿された村に伝わる伝奇系サスペンスをやるなら、少なくとも伏線よりも登場人物をもう少し深く掘り下げるべきだと思う。
虚ノ少女はそういう意味でボリュームはあったけれど、きちんと描かれていたと思うのよね。

■CGとか
少女地獄というタイトルからアレなCGが多いと思いきや、ラストの融合が1枚ずつあるのみ。
あれもアレで幸せの形というか、その後どうなるんだー的なのはあるけど、取り込まれCGは嫌いではない。
何気にBALDRSKYで空の背中がチューブ一杯ってのは、中々ぐっときた。

CGは綺麗だと思うのだけど、好みの問題かなー。
枚数はそこまで多くないです。
メインヒロインの戦闘描写を1枚のCGで使いまわすのは、正直バトル物を描くなら及第点以下だと思う。
それだけでもずいぶん違うと思うんだけどね。
愛莉のシーンが2枚なのは、前述のラッキーハラボテのせいなのかわからない。

ただシナリオもそうだけど、削られた要素が多くて、それでバランスが変になってるっていうのもあるんじゃないかなー。
もしかしたら制作予算的な問題があったのかもしれないと今思いました。
こんだけコケルと次が危なそうですけどね。

■音楽とか
こちらは良いと思う。
BGMとOPに関しては力が入ってるのか、とても良い出来です。

■システムとか
さんざん出しましたが、ルビ。
Twitterでも言いましたけど、伝奇系でもし難解な言葉を使いまくる必要があるなら5pbのお家芸というわけではないのだろうけど、メニューにTIPSをつけるべきだと思う。
設定資料読めばいいと言うのはあるけれど、TIPSであれば画面から視線を出さないので雰囲気を壊さなくて良いのではないでしょうか。
埋める楽しみもあるしね。

総評としては、突っ込みだすとキリがないので興味があればプレイしてくださいとも言えるし、ここまで突っ込みどころ満載なのは久しぶりな気がしないでもない作品です。
フルプライスでは買いたくないけれど、中古の値段ならオススメできる気がしないでもない。

ちなみに祥那が3回レイプされて毎回絶叫を楽しめるので+1.0されてるわけで、本来の点数はお察しください。

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